住む人日記
21.10.2023 Berlin
朝、窓を開けると冬の匂いがするようになった。吐く息も白くなり、驚くほど足早に秋は行ってしまったようだ。寒暖差で喉をやられて少し寝込んだり、日本から持ってきたケータイが使えなくなるなどハプニングが重なり、なるはずがないと思っていた軽いホームシックみたいなものも味わった。とは言え、喉元すぎればなんとやら。知人の手助けもありどうにかなっている。
ヨーロッパの都市部には、基本的にアパートしか存在していない。ただしそのどれもが日本と大きく異なり天井が高く壁は塗り壁で、フローリングは板材で、窓の配置も気が利いていてとても開放的だ。名のあるインテリアなどなくとも、それなりの雰囲気になるし住み心地もいい。これは、日本で体験できなかった発見だと思う。どんよりした気持ちになりながらも、高い天井を見上げて癒されもした。
それからベルリンには、ブランド服を着飾る人もスーツ姿のサラリーマンもいない。それもまた、この街のいいところだと思う。
さて、明日からはフランクフルト。その後に予定していたパリはキャンセル。イスラエルとパレスチナで始まった新たな戦争は、想像以上に他人事ではない。変わりにスロベニアかアムステルダムにでも行こうかと考えつつ、あまり決めずに、まずは無事に過ごしたいと思う。
21.10.2023 Kazumasa Harada