住む人日記

Came to Berlin

ベルリンに来て2週間が経った。何をするでもなく、毎日ただひたすら歩いては、思い立った時に写真を撮り、アパートで自炊生活をしている。どうして今ベルリンにいるのかを説明するのは難しいけれど、とにかく2ヶ月半、日本を離れてみることにした。

私が初めてベルリンを訪れたのは、コロナウィルスが世界を覆う少し前の2019年1月のことだった。寂れた空港に降り立ち市内に向かうと、ベルリン独特の他のヨーロッパの街には感じえない殺伐とした空気が漂っていた。凍てつく寒さに身を縮めながら、いつかヨーロッパで生活するなら、この街に違いないと得体の知れない確信のようなもの感じたことを鮮明に覚えている。

あれから4年が経ち31歳になった。パンデミックが終息したかと思えば、戦争が始まり、物価の上昇や為替も驚くほど悪い。それでも…人生は待っているばかりでは、どうにもならない時もある。
そんな思いから、日本にいる間はリモートでアパート探しに奔走し、3年使った事務所の整理や留守中のあれこれのとりまとめ、ようやく辿り着いたベルリン。

街は相変わらず、雑然と殺伐としている。日本で例えるなら令和でも平成でもなく昭和の面影を残していると言っても過言ではない。それは人のありようにも言えることだと思う。まだ、東西ドイツの統一から33年しか経ってないのだ。

今は、そんな中に身一つを置いている。
白い塗り壁に高い天井と大きな窓。40平米のワンルームは、日本のそれとは比べ物にならないほど快適だ。暮らすことが、とても楽しい。


12.10.23 Kazumasa Harada